スミレ(スミレ科スミレ属)
漢名:菫
北海道から九州に至るまで全土に分布しています。耕作地、草原、高原地帯など、とにかく日当りのよい場所で一般的に見られるスミレです。地上茎のないスミレのタイプに属します。草丈は10センチから15センチほどで、舗装された道路と側溝の隙間などからも生えているスミレもよく見かけます。
ヘラ形の葉(開花期の葉身は5から8センチ)は斜め上へ伸び、葉柄には明確な翼があります。毛の有無については変化が大きいので注意が必要です。花の大きさは2センチ程度で、濃紫色です。唇弁には白地に紫色のすじが入った模様があります。唇弁から続く距は細長いが、変化が大きいとのことです。側弁基部は有毛です。
日常使用している花の名前が、そのまま品種名として図鑑に掲載されることは少ないように思います。タンポポ、サクラ、ユリなどは、品種名として図鑑には記されていませんが、スミレだけは例外の品種名と言えるでしょう。
(山渓ハンディ図鑑6:日本のスミレ, 山と渓谷社, pp. 126-127, 2012)
こちらはノジスミレ。花を正面から見るだけでは識別するのが難しいです。横からの姿と葉柄には翼がない点を見ることがポイントとなります。
ノジスミレ
漢名:野路菫
地上茎のないスミレのタイプに属します。全草に微毛があります。秋田県から九州(屋久島)に至るまで全土に分布しています。畑、田んぼ、草地など日当りのよい場所で見られるスミレです。どちらかといえば、低地の人里周辺に分布が限定されていて、山地・高原で見かけることはほとんどありません。
スミレと比べ草丈は低く、8センチほどです。開花期の葉は、長さが5・6センチほどのヘラ形・長披針形です。葉の縁は波打つような形で、内側へ少し向くように付きます。葉柄には翼がないので、スミレとの区別点となります。また、花弁は青みの強い濃紫色で、葉と同様に花弁の縁も波打ちます。スミレとは異なり、側弁の基部は通常無毛です。
(山渓ハンディ図鑑6:日本のスミレ, 山と渓谷社, pp. 138-139, 2012)
ご参考まで:
ご覧いただいている写真は、Nikon D7200とAF-S NIKKOR 300mm PF EDにより撮影したものです。詳しい説明のついていない種類(昆虫を除く)については、過去のブログで特徴・詳細(習性、分布、用途など)を紹介していますので、ブログ内検索で参照してください。
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